海部幹線水路とは、水資源機構が建設した木曽川用水を構成する農業用水路の1つで、木曽川の馬飼頭首工を水源とする。
支流を含めると全長は37.5キロメートルに及ぶ。水路には安定供給を目的とした水量調整用の堰が59か所設けられている。
海部幹線水路の築年数は約40年経過しており、水路調整堰の耐震改修が必要となってきており今回、光西・宮地調整堰の2か所を耐震する工事が発注され、総合評価方式による3社入札の結果、総合評価値の最も高かった当社が受注した。
工事概要として農業用水路を仮絞切で止水し、右岸、左岸交互施工で通水を保ちながら、水路の中を(あと施工型せん断補強工法)で耐震補強する工法であり、付帯工として老朽化したゲート設備を更新するため制作・据付を行うものであった。
- 調節堰
- 水流の流れが激しい
- 潜水士による仮締切設置状況
- 仮締切完成
- 締切後、土のうだけでは進入水を抑えられないため、この後止水コンクリートで防ぎ施工
- あと施工型せん断補強筋工施工中
- あと施工型せん断補強筋工施工後
- 円型スライドゲート
担当者コメント
深町(土木部所属)
「私と村上が土木部所属で、吉竹、北野がプラント 部所属で異なる部署同士のチーム編成になりました。今回のメイン工事である、あと施工型せん断補強やゲート工事の経験をプラント部が多数持っており、複数の建設工事の業種をこなせる弊社の強みを発揮することができました。施工管理では計画時点に仮締切工の止水想定検討ができなかったので水流量の多い中で仮締切設置作業は困難でした。止水コンクリートを打つことで浸入水は防ぎましたが安全面も含めてかなりのプレッシャーがありました。新入社員も含めて元請工事の経験が浅いメンバーでしたのでそこも苦労しましたね(笑)。でも皆、一生懸命でしたのでこれからの二友組を背負う若い力に期待しています。」
北野(プラント部所属)
あと施工型せん断補強担当
「既設鉄筋が設計値より深い箇所にあり、削孔時に鉄筋が当たらないようにしなければならず施工難易度が高かったです。削孔時にでる騒音の影響で一日の施工時間の規制が短時間でした。防音シートで対策を練り地域住民の方のご理解のお蔭で乗り切る事ができました。普段は下請負作業が多いのですが今回は元請としての責任感について学ぶ事も多かったです。」
村上(土木部所属)
「新入社員としてこの現場に配属されましたが与えられた仕事をこなすことで精一杯でした。
深町所長をはじめ多くの方に助けて頂き、竣工を迎えた時には現場の醍醐味を経験できました。
まだまだ勉強不足ですが即戦力になれる様頑張って行きたいと思います。」
吉竹(プラント部所属)
「ゲート制作は新潟のメーカーと協力し制作、据付を行いました。水資源機構の元請工事は初めてだったため、提出書類や打ち合わせ等で手間取り、発注者や土木部の深町所長にはご迷惑をおかけしましたが今後、この経験を糧に機械器具設置工事業の元請工事の更なる挑戦を目指します。」
※総括
土木部所属の所長、深町が現場経験豊富で、新入社員の村上を指導しながら現場を進捗した。
プラント部所属の吉竹、北野が下請工事、あと施工型せん断補強筋工法、ゲート制作・据付等、沢山の現場経験を持っていたため、問題なく現場を進行させ、社内で異なる部署同士の連携の元、水路水流の激しい中、無事工事を竣工させた。
安全面を考慮した施工は発注者にも高い評価を得ており、今後需要が見込まれる既設構造物の耐震、老朽化等あらゆる部門で挑戦し地域社会貢献を目指す所存である。
工事データ
工事名称 | 海部幹線水路光西・宮地調節堰耐震工事 |
工事場所 | 愛知県愛西市赤目町東流作地内他 |
発注者 | 独立行政法人 水資源機構 木曽川用水総合管理所 |
施工者 | 株式会社 二友組 |
工事概要 | 耐震工(あと施工型せん断補強筋工)2016本 コンクリート補修工 可とう継手工 ゲート制作・据付工 円型スライドゲート 制作・据付 2基 |
当社担当職 | 現場代理人・監理技術者 深町 宏 (土木部所属) 担当技術者 吉竹 知一(プラント部所属) 担当技術者 北野 厚太(プラント部所属) 担当技術者 村上 寿英(土木部所属) |
文/青山 真緒 図/北村 玲菜